2026年10月25日ごろから、Xで「アルゴリズムが大きく変わった」という解説投稿が広く出回りました。Xはおすすめ欄(For You)のコードをGitHubで公開していて、設定値もほぼ毎日更新されています。そこで私たちは、2026年8月の公開時点のコードと10月24日時点のコードを並べて、実際に何が変わったのかを確かめました。
結論から書くと、変わったのは大きく4つです。
- フィードの候補を削るとき、取得元ごとに同じ割合で削るようになった(10月22日)
- 新人発掘枠の対象がフォロワー5万人以下に広がり、効くのは投稿から2時間に縮んだ(9月30日)
- いいねの重みが0.5から0.66に上がった(10月13〜14日)
- 「興味なし」の減点が-43.2から-52.27に強まった(9月29日・10月14日)
リンクのコピー、リプライ、引用、通報といった主な重みは変わっていません。アルゴリズム全体の仕組みはXのアルゴリズム解説にまとめているので、ここでは変わった部分だけを見ていきます。
変更1. 候補を削るとき、新しい取得元が後回しにされなくなった
おすすめ欄を開くたびに、Xはフォロー中の人の投稿、話題の投稿、似た人がいいねした投稿などから候補を集めます。ただし、細かくスコアを付けるのは1回あたり2,800件までです。
これまでは、候補が2,800件を超えると、取得元を並べた順に先頭から2,800件を残していました。フォロー外から見つけてきた投稿の取得元は並びの後ろにあるため、候補が多い日はそこから先に削られていました。削られた投稿はスコアすら付かないので、表示されることもありません。
10月22日から、取得元ごとに同じ割合で削る方式に変わりました。たとえば候補が上限の1.25倍集まったら、どの取得元も2割ずつ減らします。フォロー外の人に見つけてもらう経路が、候補の段階で不利にならなくなったということです。
ただし、2,800件の上限にどのくらいの頻度で当たるのかはコードに書かれていません。インプレッションがどれくらい増えるかは、コードからは言えません。
変更2. 新人発掘枠の条件が大きく変わった
フォロワーの少ない書き手の投稿を、おすすめ欄の上のほうに引き上げる仕組みがあります。この記事では新人発掘枠と呼びます。この条件が9月30日に変わりました。
| 条件 | 2026年8月時点 | 10月24日時点 |
|---|---|---|
| 対象の投稿 | オリジナル投稿のみ | オリジナル投稿のみ |
| フォロワー数 | 1,000人以下 | 5万人以下 |
| 投稿からの時間 | 24時間以内 | 2時間以内 |
| ホームでの閲覧 | 1,000回未満 | 200回未満 |
| スコアの位置 | 候補の上位85%以内 | 候補の上位97%以内 |
| 引き上げ先 | 15〜16位相当 | 15〜16位相当 |
対象はほとんどの個人アカウントに広がりました。その代わり、効くのは投稿から2時間・閲覧200回までと短くなっています。
選び方も変わりました。以前は条件を満たす投稿のうちスコアが最も高いものを選んでいましたが、今は最初に見た人のいいね率をもとに抽選して候補を2件に絞り、そのうちモデルのスコアが高い方を引き上げます。引き上げられるのは、フィードの読み込み1回につき1件だけです。
ここから言えるのは、投稿する時間の意味が以前より大きくなったことです。時刻そのものに加点はありません。ただ、フォロワーが寝ている時間に投稿すると、いいねをくれる読者が来る前に2時間が終わってしまいます。
変更3. いいねと「読まれる時間」の重みが上がった
おすすめ欄の並び順は、見た人が取りそうな行動の予測に、行動ごとの重みを掛けて決まります。この重みのうち、9〜10月に変わったものを並べます。
| 行動 | 2026年8月時点 | 10月24日時点 |
|---|---|---|
| いいね | 0.5 | 0.66 |
| 投稿を開いて読んでいる時間 | 0 | 0.4 |
| タイムライン上で見ている時間 | 0.004 | 0.006 |
| タイムライン上で目を留める | 0 | 0.05 |
| 投稿のクリック | 0.4 | 0.3 |
| 動画を開く | 0.05 | 0.02 |
いいねは10月13日に0.6、14日に0.66と2日続けて上がりました。それでもリンクのコピー(20.0)の約30分の1、リプライ(5.0)の約7.5分の1で、弱いシグナルであることは変わりません。
目立つのは、読まれる時間への重みです。投稿を開いてから読んでいる時間には、9月29日から0.4の重みが付きました。タイムライン上で見ている時間も1.5倍になっています。一方で、開くだけのクリックは0.4から0.3に下がりました。開かせるだけの投稿より、開いた人が読み続ける投稿のほうが評価される方向です。
変更4. 「興味なし」の減点が強まった
マイナスの重みでは、「興味なし」だけが変わりました。
| 行動 | 2026年8月時点 | 10月24日時点 |
|---|---|---|
| 通報 | -234.0 | -234.0 |
| ミュート | -58.8 | -58.8 |
| 「興味なし」 | -43.2 | -52.27 |
| ブロック | -31.2 | -31.2 |
9月29日に-47.52、10月14日に-52.27と、2段階で強まっています。重みは予測確率に掛かる値なので「興味なし1回でいいね何件分」とは換算できませんが、興味のない人に「興味なし」を押されそうな投稿の不利は大きくなりました。釣りの見出しや、フォロワーの関心から外れた話題を混ぜすぎない方が安全です。
変わっていないこと
話題になった投稿の中には、変わっていない設定も混ざっていました。10月24日時点で、次の点は8月と同じです。
- リンクのコピー20.0、リプライ5.0(相互フォローの相手の元投稿へは実質20.0)、引用5.0、DMでの共有5.0、フォロー4.0、リポスト1.0
- 通報-234.0、ミュート-58.8、ブロック-31.2
- 同じ著者の投稿が続くと、2本目は62.5%、3本目は43.75%に減衰し、下限は25%
- フォロー外の人のタイムラインでは、スコアが0.75倍になる
- 投稿から24時間でフォロワー数の3%に届くことを目安にした探索配信の設定
- プロフィールクリックの重みは0
コードからは判断できなかったこと
低品質や誤情報のラベルが付いた投稿に注意書きを出し、フォロー外の人の操作を制限するルールは、表示を判定する部分のコードにあります。ただ、この部分は10月20〜23日に大きく書き換えられていて、今回新しく入ったのか、前からあった仕組みの書き直しなのかは判断できませんでした。どんな投稿にこのラベルが付くのかも、コードには書かれていません。
また、公開されている値は「主要な本番設定値」です。Xは実験を常に走らせているので、人によって一部の値が違う場合があります。
運用で変えるとよいこと
今回の変更を運用に置き換えると、次の3つです。
- 投稿はフォロワーが起きている時間に出す。新人発掘枠は投稿から2時間しか効かない
- 開かせるより、開いた後に読み続けてもらえる本文にする。読まれる時間の重みが上がり、クリックだけの重みは下がった
- 興味のない人に押し付けない。「興味なし」の減点が強まった
逆に、いいねの重みが上がったからといって、いいねを集める小技に戻る理由はありません。0.66は、リンクのコピーやリプライと比べると今も小さな値です。
よくある質問
新人発掘枠は、フォロワーが1,000人を超えると使えなくなりますか?
10月24日時点では、フォロワー5万人以下なら対象です。9月30日の更新までは1,000人以下が条件でした。
投稿してから2時間を過ぎたら、もう伸びませんか?
新人発掘枠の対象から外れるだけで、通常のおすすめ欄の候補には残ります。私たちが読んだ範囲では、投稿は48時間を過ぎるとおすすめ欄の対象から外れます。
どうやって変更を確かめたのですか?
Xが公開しているリポジトリ(xai-org/x-algorithm)の設定値のファイルを、日付ごとに比べました。リポジトリはほぼ毎日更新され、更新のメッセージはいつも同じなので、設定値そのものを比べないと何が変わったかはわかりません。
アルゴリズムの変化に合わせた投稿を、仕組みで作る
設定値は月に何度も変わります。私たちが開発しているX運用AI「SebaschaNS(セバスチャンス)」は、公開コードの更新を確認して、投稿の下書き作りと投稿前のチェックに反映しています。あなたの過去の投稿から文体を学んで、自分の言葉に近い下書きを作るツールです。興味があればサービスページをご覧ください。
本記事は、xai-org/x-algorithmリポジトリの2026年8月14日時点と2026年10月24日時点の設定値を比べた結果に基づいています。変更日はリポジトリのコミット日です。重み等の数値は「主要な本番設定値」として公開されているもので、実験により個人差がある場合があります。
最終確認日・更新履歴
- 2026年10月27日:xai-org/x-algorithmリポジトリ(2026年10月24日時点)の記述をもとに新規作成
