
Xのシャドウバンを確認する方法【2026年版】仕組みと解除までを公開コードから解説
2026年8月13日、X(旧Twitter)はおすすめ欄のアルゴリズムを構成するコードを大規模に公開しました。この中に「visibility-filtering」という名前のサービスがそのまま含まれています。どの投稿を表示し、どの投稿を落とすかを判定する部分。つまり、俗に「シャドウバン」と呼ばれてきた仕組みの実装です。
これまでシャドウバンの解説記事は、外部チェックツールの結果や経験則をもとに書かれてきました。今は違います。判定ルールの並び順まで読めるようになりました。私たちはX運用AIを開発している会社で、公開直後からこのコードを読み込んでいます。この記事では、コードに書かれていることを根拠に、確認方法・原因・解除までにやることを整理します。
この記事でわかること
- シャドウバンの正体(公開コード上の実装がどうなっているか)
- 公式ツールとログアウト確認を使った、正確な確認手順
- ラベルが付く原因と、解除までにやること・予防策
この記事の根拠は、Xが公開したアルゴリズムのコードそのものです。外部チェックツールの推定や経験則には依存していません。
シャドウバンとは何か。コードが示す正体
Xの社内に「シャドウバン」という機能はありません。実際にあるのは、投稿やアカウントに付く「安全性ラベル」と、それを根拠に表示を制限するvisibility filteringです。
重要なのは、制限には2段階あることです。
- 全員に対する制限。凍結アカウントの投稿や、スパム・暴力などのラベルが付いた投稿は、誰のタイムラインからも落とされます
- フォロワー外に対する制限。スパム系・NSFW系などのラベルがアカウントに付くと、フォロワーのタイムラインには表示され続けるのに、おすすめ欄や検索経由の非フォロワーには配信されなくなります
俗に言うシャドウバンの大半は後者です。フォロワーからは普段どおり見えているので、本人も周囲も気づきにくい。それでいて新規のリーチだけが静かに消えます。
もうひとつ、コードを読んで分かる大事な仕様があります。判定処理の最初に「閲覧者が投稿者本人なら、常に表示する」という記述があることです。自分の投稿は、どれだけ制限されていても自分には見えます。シャドウバンに自力で気づけないのは、観察力の問題ではなく仕様です。
シャドウバンを確認する3つの方法
1. 公式ツール「Under the Hood」で自分のラベルを見る
コード公開と同時期に、Xは自分のアカウントに付いた可視性制限ラベルを本人が確認できるツールを用意しました。URLは x.com/i/under_the_hood です。
ただし、現時点では誰でも見られるわけではありません。コード上の条件を読む限り、認証済みアカウントの本人であること、アカウント開設から1年以上、前月に10投稿以上、といった条件があり、しかも段階的な提供です。開けなかった場合は次の方法を使ってください。
2. ログアウト状態か別アカウントで、自分の見え方を確かめる
制限の中心が「非フォロワーへの配信停止」なので、確認も非フォロワーの視点で行うのが正確です。
- ログアウトした状態(または自分をフォローしていないアカウント)で、自分のユーザー名をXの検索窓に入れる。アカウントがサジェストに出るか
- 最近の投稿の文言をそのまま検索して、検索結果に出るか
- 自分の投稿への返信が、他人から見ると「さらに返信を表示」の奥に畳まれていないか
フォロワーの画面では正常で、非フォロワーの画面でだけ消えている。この差が出たら、フォロワー外向けの制限がかかっている可能性が高いです。
3. アナリティクスの数字で兆候をつかむ
インプレッションの内訳で、フォロワー外からの表示が数日のうちに急減し、フォロワーからの表示は変わっていない。このパターンは制限の典型的な出方です。投稿の質が原因なら両方が緩やかに下がるので、片側だけ崖のように落ちるときはラベルを疑います。
なお、外部のシャドウバン判定ツールは今でも複数残っていますが、検索結果のスクレイピングに依存した間接的な推定です。公式ツールとログアウト確認で足りるようになった今、優先度は下がったと考えています。
「おすすめに載らない」はシャドウバンとは限らない
確認の前に知っておくと無駄に悩まずに済む仕様を2つ挙げます。
ひとつ。フォロワー外への配信は、制限がなくても最初からスコア0.75倍で扱われます。おすすめ欄でフォロワー外に届きにくいこと自体は全アカウント共通の仕様で、異常ではありません。
ふたつ。同じ人の投稿は1画面に出るほど減衰します(2本目は62.5%、3本目は43.75%)。連投して後半が伸びないのはシャドウバンではなく通常の重複抑制です。
インプレッションが減った理由を制限だと思い込む前に、この2つを除外してください。
シャドウバンの原因。ラベルはこうして付く
公開されたコードには、ラベルを生成する側のシステムも含まれています。読み取れる主な経路を挙げます。
- 投稿単位の違反が、アカウント全体に集約される。違反ラベルの付いた投稿を繰り返すと、投稿ではなくアカウントがフォロワー外への配信対象から外れます。1本消して終わり、にならないのはこの集約があるためです
- 通報といいねの比率。受けた通報がいいねに対して極端に多い(コード上のしきい値は99.75%超)とスパムラベルの根拠になります。いいねが分母なので、普段から素直にいいねされる投稿をしていること自体が防御になります
- コピペ返信。同じ文面の返信を繰り返すと、貼り付けを示すフラグ付きでスパム判定に送られます。注目度の高い会話では返信をAIが0〜3点で採点し、0点の返信は表示を落とされる仕組みも動いています。AI生成の定型リプを配り歩く運用は、コード上明確にリスクです
- エンゲージメント釣り。「いいねした人に○○します」型の投稿は専用の検出器があります。しかも、他のスパム判定には信用スコアが高いと免除される仕組みがあるのに、この種別だけは免除されません。フォロワーが多くても捕まります
- bot的な行動パターン。操作の時系列そのものを機械学習モデルが見ており、自動化ツールによる機械的な連続操作は行動の並びで検出されます
- 複数メンション。2アカウント以上への@メンションを含む投稿は、スパム分類の入口条件に入っています。即ラベルではありませんが、審査対象になります
意外かもしれない事実もあります。投稿の長さやハッシュタグの数に対する固定ペナルティは、コード上存在しません。「ハッシュタグを3つ付けるとシャドウバン」のような俗説は、少なくとも現行コードからは裏付けられませんでした。
解除までにやること
先に正直に書くと、「これをすれば何日で解除」という確実な手順はコードにも書かれていません。ラベルには再評価の仕組みがあり、原因が止まれば外れていく設計ですが、期間は状況次第です。そのうえで、コードから合理的に導ける行動は次のとおりです。
- 原因になった投稿を削除する。アカウントへの集約は投稿ラベルの蓄積なので、元を断つのが最初です
- 疑わしい行動を完全に止める。コピペ返信、過剰なメンション、自動化ツールの機械的な操作、釣り文句。検出は行動の繰り返しを見ているので、止めれば入力が消えます
- 通常の投稿を淡々と続ける。通報比率の分母はいいねです。健全なエンゲージメントの蓄積が数字の上で回復に効きます
- 心当たりがないのに制限が続くなら、乗っ取りの可能性も疑ってパスワードと連携アプリを見直す。乗っ取られたアカウント用のラベルも存在します
- 異議申し立ては、Under the Hoodでラベルを確認できた場合に選択肢になります。何のラベルか分からないまま問い合わせるより、はるかに話が早い
期間について付け加えると、経験則として数日から数週間で戻るケースが多いと言われてきましたが、これはコードの外の話です。断定はしません。
予防。アルゴリズムが今、何を評価しているか
今回の公開では、おすすめ欄のスコアリングに使う重みの主要な本番設定値も出ています。予防の方針はここから素直に導けます。重みの全リストと俗説のコード検証はXのアルゴリズム解説にまとめています。
- 最重量のシグナルは「リンクをコピーして共有」で重み20.0。リプライと引用が5.0。いいねは0.5しかありません
- つまり、人に送りたくなる投稿・返信したくなる投稿が構造的に伸び、いいね集めだけの投稿は伸びません。釣りに向かう動機を仕組みが消しにいっている、と読めます
- AI量産コンテンツへの対策も入っています。バズ投稿の審査には、AIっぽさをスコア化する項目(コード上の名前はslop_score)が存在します。テンプレのままのAI文章を量産する運用は、リーチの面でも不利になりつつあります
ラベルを避けることは、結局「非フォロワーに届く価値のある投稿を、人間らしい文体で続けること」とほぼ同義になってきています。地味な結論ですが、コードがそう書いてあるので仕方ない。
よくある質問
シャドウバンは何日で解除されますか?
固定の期間はコード上存在しません。ラベルの原因が解消されてから再評価で外れる設計です。原因を止めずに待っても外れません。
いいねが急に減ったらシャドウバンですか?
多くの場合は違います。フォロワー外0.75倍と同一著者減衰という通常仕様の範囲か、単に投稿内容の問題です。フォロワー外インプだけが崖状に落ちているかを先に確認してください。
外部のシャドウバンチェッカーは信用できますか?
間接的な推定としては参考になりますが、誤判定もあります。公式のUnder the Hoodが開けるならそちらが正確です。開けない場合はログアウト状態での検索確認を推奨します。
Premium(認証)に入ると解除されやすくなりますか?
解除の直接手段ではありませんが、コード上、認証は信用スコアの初期値や一部の自動処罰の免除条件に組み込まれています。ただしエンゲージメント釣りは認証でも免除されません。
投稿する前にリスクを潰すという選択肢
ここまで読むと分かるとおり、シャドウバンは「かかってから直す」より「ラベルの原因を作らない」ほうが圧倒的に楽です。私たちが開発しているX運用AI「SebaschaNS(セバスチャンス)」には、投稿前の文面をアルゴリズムのラベル基準に照らしてチェックする機能を組み込んでいます。過剰なメンション、釣り文句、リンクの扱いといった、この記事で挙げたリスクを投稿ボタンの手前で検出します。X運用の継続そのものを支えるツールなので、興味があればサービスページをご覧ください。
本記事は、2026年8月13〜14日に公開されたxai-org/x-algorithmリポジトリの記述に基づいています。重み等の数値は「主要な本番設定値」として公開されているもので、実験的に個人差がある場合があります。仕様は変わり次第、本記事も更新します。
最終確認日・更新履歴
- 2026年8月18日:xai-org/x-algorithmリポジトリ(2026年8月13〜14日公開)の記述をもとに新規作成
- 2026年8月17日:公開コードの重み設定値、visibility filteringのルール、Under the Hoodの提供条件を確認